新たな時代の小型仏壇 供養 祈りのお箱 仏庫

新たな時代の小型仏壇 供養 祈りのお箱 仏庫

仏庫 造った思い

仏壇を造ってきた者として、
変わらぬ祈りの大切さを後世につなげたい。
その思いから仏庫は生まれました。

仏壇とは何か。仏壇を造っている者だからこそ、今考えてみました。

仏壇は、江戸時代にお寺の檀家制度の下で、一般庶民にも普及したものと言われています。宗派の違いによって細部が異なり、また先祖を供養する対象という観点からも、家庭に小型の寺院を設置するという風習が確立したものです。その後長男が先祖からの仏壇を相続し、分家が新たな仏壇を購入するという風習が続きました。そして敗戦を経験し、昭和50年代に仏壇の需要がピークとなり、その後は少子高齢化や、生活観の多様化など、様々な要因で需要が減り続けました。

近年は、先祖から受け継がれてきた仏壇や墓までも終うという方が、年配の方々に多く見られます。少し前までは、こうした祭祀財産は、家を継承する者が受け継ぐべきという常識がありましたが、「受け継ぐ」のではなく「処分をする」という大きな方針転換をなされている方がおられるようです。少子化で、受け継ぐ人自体もいなくなったことも原因でしょう。そして自らのエンディングについて考えるようになり、関連事業者も多様な供養の方法を提案するようになりました。

そもそも仏壇とはお寺の檀家制度から、家の中に、いわばそのサテライトとして安置するものであって、檀家制度自体があまりわからない、今を生きる、世代を超えた多くの皆様からは、仏壇は、伝統的なデザインの家具のようなものとして見られているのかもしれません。

そこで多くの仏壇仏具のメーカーから、現在「現代風仏壇」や「小型仏壇」「デザイン仏壇」などの名称で、新たな仏壇が提案されています。その多くが伝統的な装飾をそぎ落とし、現代の家庭にマッチする、例えば「リビングにおいてもおしゃれだ」とかいう提案の商品です。

人生100年時代だからこそ、世代を超えた価値が何かを考えました。

昔は家を建てる時に、仏壇の置き場所と部屋(仏間)を確保することが日本家屋に求められていましたが、昨今、限られた生活空間であることや、インテリアデザインを優先しているから従来型の仏壇は買ってもらえない。これが我々業界の見方でした。そこに「今のリビングにも合うデザインの…」という製品を提案しているメーカーが増えています。

しかし今、「リビングに仏壇を置きたい」という方がどのくらいいらっしゃるのでしょうか。さらにはデジタル化が一層進む住環境で、これからの「リビング」とはどのようなものでしょうか。想像できますか。

わが国では、65歳以上の高齢者がいる約2,600万世帯のうち、単独世帯が約28%、夫婦2人世帯が約32%であり、高齢者1~2人の世帯は約60%であるといわれています。(2019年厚生労働省 国民生活基礎調査)

こうした高齢者の中には、一軒家を処分し、マンションや施設で暮らす人も多くいます。そしてご自分のエンディングを考える方も増えています。

少子化が進む一方、人生100年時代といわれ、高齢者の比率が一層高まっています。祈りの対象物は、こうした高齢者や若年者の垣根を越えて存在する価値あるものでなければならないと思います。

祈ること、供養することの大切さは、不易流行。
仏庫という「祈りの対象物」

昭和50年代に、非常に多くの仏壇のご注文をいただきましたが、それ以降年々注文が減少し、現在は職人や後継者が減り、事業の存続が厳しい現状にあります。このような状況の中、異業種の方から、仏壇に限らず、日本の伝統産業が衰退する原因は、形の継承にとらわれすぎていて、その本質、つまり「不易流行」の大切な部分の継承を軽視してきたことにもあるのでは。日本人が大切にしてきたことは継承すべき。考え方を変えれば需要はあるという貴重なご意見をいただきました。

仏壇の形がどうであるかの前に、祈ること、供養することの大切さを、次代の皆様に伝えられるのかどうかという本質的な部分に目を向けなければならないことに気づかされました。

そこで、一度仏壇という概念を取り払い、これからの祈りの対象物は何なのかを、業界以外の専門家の皆様に入っていただき、考えることとしました。

マーケティングの専門家様からは、表面的なデータでは読み取れないことを引き出すことが大切だと助言をいただきました。

様々な調査と分析の結果、現代や次の代の皆様が満足されるような祈りの形を製品としてご提案することとなりました。価値観がますます多様化する皆様が満足される形を追求し、その目指すべき新しい「お箱」を「仏庫」と名付けました。

「仏」は仏さまのことでもあり、皆様が大切にされている愛でるもの全てのことです。
「庫」は仏さまを納める箱であることのほか、そのお箱自体を納めておくさまざまな場をイメージするものです。

多様化する祈りの場面。それぞれの場面にお持ち込み、お開きすること。

これまでの仏壇は、まず置き場所ありきですが、これからは、置き場所を選ばずに使用すること、しかもその置き場所は「リビングどころか家庭内とも限らない」という考え方をとりいれました。

多様化するライフスタイルの中とそれぞれの価値観で、どこへ持って行って開いても、その場での存在感を発揮し、目的を果たし、閉じてどこに納めても凛とした佇まいをお届けしたいと考えました。

たとえば自宅のいくつかの部屋に持ち込み開く。
たとえばお寺にお預けいただき、参拝した際に開いてお祈りする。
たとえばリモート供養をしていただく際に、大きなスクリーンの前で開く。
たとえば永代供養施設に納めておき、お参りに伺った際に開く。
など、それぞれのご要望に応えられる形を考えました。

ただし、ご先祖から受け継いで、立派なお仏壇を大切になされている方々を否定するものではありません。そのような「心」を次代の皆様に受け継いで欲しいという思いを込めて、今、仏壇を持たない方や、大きな仏壇を受け継ぐことができないという方々にこそ、使っていただきたい「祈りの対象物」。必要な時や場面にこそ存在意義があるのです。

これからの祈りの多様性を第一に考えた製品です。

変わる生活様式と、変わらぬ美意識。「無常」に寄り添う伝統美を。

近年、交通手段が進化し、移動がたいへん便利になり、外国から多くの方が訪れるようになりました。しかしだれもが予想しなかった新型コロナウイルス感染症は、その便利さがゆえに蔓延しパンデミックとなりました。
これまであたりまえのように、人が集まり行われていたことができなくなりました。

そしてデジタル技術の進化により、様々な会合がリモートにて行われる時代が到来しました。

デジタル技術は、5Gにより通信速度がさらにアップする時代になり、ネット環境を通じ、動画もリアルタイムで手元に届きます。インターネットを活用した機器が次々に生まれ。感染症予防を機に、DX(デジタルトランスフォーメーション:デジタルが中心となる生活様式)という方向へ、一層変化のスピードが速くなります。

冠婚葬祭や法事、お墓参りもリモートで行われる時代がやってきました。リモートではテレビやスマホが使われますが、仏庫はその場面に存在する祈りの対象物でもあることを想定しています。大画面のテレビの下で開く、開いてスマートフォンを立てる。変わる生活様式の中で、祈りの対象物として存在し、皆様に心の安らぎをご提供することが仏庫の役割です。

さらにわが国では、近年大規模の地震や洪水が頻発し、突然家や大切な方を亡くされたりし、自然の力には全く無力であることを知らされます。皆様が「無常」をたいへん身近に感ずる時代になりました。

私たち日本人は、長い歴史の中で、過去にもこうしたことを多く経験し、移ろいゆく自然の姿に「無常観」を覚え、そこに美意識を持ち、その心が受け継がれてきました。だからこそ、培われた私たちの伝統美を表現し、次の代に残していきたいのです。

私たちはめまぐるしく変化する時代だからこそ、以前と変わらない祈りの対象物の存在感を確実にお届けすることが使命だと考えています。

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